有明アーツ・フォーラム ARIAKE ARTS FORUM
TRIO WIEN+BUTOH「没薬(もつやく)」
本学森本恭正(YUKI MORIMOTO)教授作曲の『没薬』を基に舞踏とのコラボレーション公演TRIO WIEN + BUTOHが有明アーツ・フォーラム第一回公演として、ウィーンフィル首席フルート奏者ヴァルター・アウアー、ウィーンフィルチェロ奏者ヨォルゲン・フォッグ、ピアノ浦田陽子、舞踏:桂勘、二ーナによって2009年12月2日本学ホールにて開催された。
TRIO WIEN+BUTOH「没薬(もつやく)」
TRIO WIEN | 桂 勘 |
企画・主催:有明教育芸術短期大学「有明アーツ・フォーラム実施委員会」
〒135-0063 東京都江東区有明2-9-2 Tel:03-5579-6211(代表)
日時:2009年12月2日(水)18:30開場 19:00開演
場所:有明教育芸術短期大学ホール
後援:オーストリア大使館 デンマーク大使館
ご挨拶:日本発の舞踏が「BUTOH」となって世界に飛び出していったのはいつの頃だったでしょうか。すでに他の様々なジャンルと舞踏、いや「BUTOH」とのコラボレーションが世界各国で試みられてきました。生演奏による音楽家との共演も決して珍しいことではなくなりました。けれども、ウィーンフィルのような、正にクラシック音楽の王道を歩み続けるようなオーケストラのメンバーが、「BUTOH」と生演奏で「競演」した例が、かつて一度としてあったでしょうか。その上今回は、伴奏としての音楽という、ともすれば音楽家の「共演」に生じがちな受身な姿勢ではなく、ウィーンフィルメンバーが舞踏家と共に中心になってこの企画「没薬」を制作しているのです。この事自体、つまり、従来のクラシック音楽のイメージからは一見対極に位置するような芸術-「BUTOH」とのコラボレーション自体、長いヨーロッパ音楽の歴史にとって、画期的なことだと思うのです。
プログラムでは、拙作の「没薬(もつやく)」(日本初演)の他、武満徹の「ヴォイス」、など新しい作品が目に留まることと思います。しかし、現代の作品ばかりお聴かせするわけではありません。クラシックの作品群、すなわち、ハイドンやシューベルトといった、私達の耳になじんだヨーロッパの作曲家達が、実は、いかに狂気を孕んだ天才達であったかが、この公演を通して証明されてゆくでしょう。そして、彼ら天才達の精神は、体制と常識の殻を打ち破るように日本で生まれ、「退屈」を相手に戦って世界に飛び出していった「BUTOH」と、実は、少しも本質的に変わるところはないのです。
第1回コンサート・イン・カレッジTRIO WIEN+BUTOHプロデューサー 森本 恭正
出演者略歴
トリオ ウィーン ■ヴァルター・アウアー(フルート) |
■ユルゲン・フォグ(チェロ)
コペンハーゲン王立音楽院を卒業後、ウィーン音楽大学で学び、フランス、コルマールでの国際室内楽コンクールで浦田フォグ陽子と共に優勝。1972年以来ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者。2007年オーストリア政府よりプロフェッサーの称号を授与される。
■浦田フォグ陽子(ピアノ)
ウィーン音楽大学でJ.ディヒラー氏に学び、全員一致最優秀で卒業後、1974年、フランス国際室内楽コンクールを初めとして、数々のコンクールで優勝。カメラータ東京から数々のCD発売中。
■ニーナ・フォグ(演舞) |
■桂 勘(演舞) |
夥しい数の海外公演の実績を誇る舞踏ダンサー並びに演出家、振り付け家。国際交流基金からの数多くの助成を受け、世界各国で公演、公開講座、レクチャーを行っている。最近では LAタイムズ DANCE 部門 ”THE BEST OF 2007”に選ばれベケット作品の舞踏化に取り組んでいる。正に日本を代表する現代舞踏家である。
■YUKI MORIMOTO(作曲家・指揮者) ウィーン在住25年。2009年までに約60余作品の自筆譜がオーストリア国立図書館に収蔵される。オーストリア政府から5回作曲助成、並びに作曲給付金を受ける。オーストリア作曲家協会会員。2007年2008年と連続してルトスワフスキ作曲コンクール(ポーランド)の審査員を務める。指揮者としても欧州で活躍。日本では2008年三枝成彰作曲アーノルド・ウェスカー台本のオペラ「悲嘆」(初演)の指揮で大絶賛を博した。プロデューサーとしては1977年にEX-HOUSEを結成し、以来国内外で数々の現代音楽、舞踊、演劇などの公演を企画。 |